今日はビートルズクリスマス特集!
ビートルズってクリスマスソング作ってないの?と思って深掘りしてみたら面白い情報がたくさん得られたのでシェアしたいと思います。
ファンクラブ会員に送られたクリスマスレコードや、そこに収録されていたオリジナルクリスマスソング、そしてソロ活動に入ってからのクリスマスソングなど余すことなく紹介します。
それではいきましょう!
- ファンクラブのクリスマスレコード
- Happy Xmas (War Is Over)
- George Harrison – Ding Dong, Ding Dong
- Paul McCartney – Wonderful Christmastime
- Ringo Starr – I Wanna Be Santa Claus
ファンクラブのクリスマスレコード
ビートルズは、1963年から1969年まで毎年、ファンクラブのメンバーに向けてクリスマス・レコードを制作していました。これらはユーモラスな内容やクリスマスのメッセージ、特別な楽曲などが含まれていました。
このレコードはイギリスとアメリカのファンクラブ会員に送られました。
1963: The Beatles Christmas Record
記録: 1963 年 10 月 17 日
ウィズ・ザ・ビートルズ制作時期に作られました。ビートルズの広報:トニー・バーロウの発案をもとに作られたこの1枚をきっかけに、この後6枚のクリスマス・レコードが毎年作られることになりました。
ビートルズが最初に録音したクリスマス用の作品には、いくつかの伝統的なクリスマスキャロル(クリスマスの時期に歌われる宗教的な民謡)の演奏が含まれています。これには、「ウェンセスラスはよい王様(Good King Wenceslas)」の演奏や、4人のメンバーそれぞれからの個別メッセージが含まれています。そして、「赤鼻のトナカイ」のコーラスで締めくくられます。
(メンバー皆が和気あいあいしてる様子ば伝わってきてすごい微笑ましい。)
この作品は、ビートルズ自身によって脚本が書かれています。
1964: Another Beatles Christmas Record
録音: 1964 年 10 月 26 日
ビートルズ・フォー・セール制作時期。
「ジングルベル」を歌った後、メンバーからファンへの個別メッセージが続きます。ジョン・レノンは、用意された脚本を読んでいることを明らかにしながら、その内容をからかっています。ポール・マッカートニーが自分でこれを書いたのか尋ねると、ジョンは「いいえ、誰かの下手な台本です」と答えます。ジョンは「今年は忙しくて素晴らしい年だった」と述べ、ファンに感謝を伝えます。このセクションは明らかに手書きのスクリプトで、マッカートニーが言葉を間違えて訂正する様子も録音されています。レコーディングの締めくくりは、ジョージ・ハリソンによる「お父さんのシャツを洗ってもいいですか?」という伝統的な歌の簡単な演奏です。
1965: The Beatles Third Christmas Record
録音: 1965 年 11 月 8 日
ラバーソウル制作の時期に作られた作品。
ビートルズの1965年のクリスマスレコードには、以下のような内容が含まれています:
・「Yesterday」のクリスマス風の替え歌
・ジョン・レノンによる「Happy Christmas to Ya List’nas」というスコットランド訛りのメッセージ
・「オールド・ラング・サイン」の演奏(一部ではバリー・マクガイアの「Eve of Destruction」の印象に変わる)
・フォー・トップスの「It’s the Same Old Song」を歌い始めるが、著作権のためにジョージによって中断される
・「Christmas Comes But Once a Year」というオリジナルの詩
・「今年も誕生日やクリスマスのプレゼントやカードを送ってくれて本当にありがとう」と繰り返し語られているファンへの感謝のコメント
1965年、ビートルズのアメリカのファンクラブメンバーは、このレコードを受け取らず、代わりに彼らの写真が入ったポストカードを受け取りました。テープが遅れて届いたため、クリスマスに間に合わせることができなかったと説明されています。
1966: Pantomime: Everywhere It’s Christmas
録音: 1966 年 11 月 25 日
1966年のビートルズのクリスマスレコードは、「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」のセッションと同時期に録音されました。
「パントマイム」がテーマでした。
イギリスのパントマイムの意味は特殊で、流行歌やダンス、ジョークなどが盛り込まれた大衆的な笑劇のことで、家族で楽しむ芝居としてクリスマスシーズンを中心に演じられます。
(今までのレコードと異なり、メンバーのコメントや会話がなくなり、よりアーティスティックな作品となる。)
3曲のオリジナルソング「Everywhere It’s Christmas」、「Orowayna」、そして「Please Don’t Bring Your Banjo Back」が含まれています。
ジャケットはポールによって描かれました。
(中でも「Everywhere It’s Christmas」は、ディズニー映画のようなミュージカルチックでコミカルなクリスマスソングとなっていて一聴の価値ありです。)
サージェント・ペパーズの先駆け?
サージェント・ペパーズ制作前に作られたこのレコード。
「舞台で芸能人がパフォーマンスするという設定」これこそ正にサージェントのコンセプトとして実現されることになります。タイトルに「パントマイム」とありますが、ヨーロッパでは「無言劇」として昔から盛んに行われていました。このタイトルを見れば、これは音楽のレコードじゃないなと分かります。
オリジナルのストーリーには、創造性は感じられるものの全く論理性はなく、「コルシカの眼鏡を掛けひげを生やした男」が小さな合唱団を連れてスイスのアルプスへ向かうところからストーリーが始まります。
パントマイムというテーマを掲げて、物語チックな作風になっていたり、Everywhere It’s Christmasというタイトル曲を序盤と終盤に収録していたり、どこかサージェント・ペパーズを思わせる作品となっています。
1967: Christmas Time Is Here Again!
録音: 1967 年 11 月 28 日
(ジャケがサージェントっぽい)
マジカルミステリーツアー完成後の時期に収録されました。
ジャケットはジョンとリンゴが作成した。
『クリスマス・タイム・イズ・ヒア・アゲイン』は、BBCラジオ番組のオーディションに参加する様々なグループをテーマにしたビートルズの作品です。彼らはゲームショウの参加者、音楽家志望者、ラジオドラマの俳優など多彩なキャラクターを演じました。
タイトル曲「クリスマス・タイム・イズ・ヒア・アゲイン」は、レコード全体を通してリフレインとして使用されます。
最後にジョン・レノンが詩「When Christmas Time Is Over」を読みます。
ジョージ・マーティンからのファンへの感謝の言葉も収録されています。
Christmas Time (Is Here Again)
クリスマス・タイム・イズ・ヒア・アゲインは、ビートルズの活動の中で唯一本格的に作られた、オリジナルクリスマスソングです。
(オールトゥギャザーナウっぽい)
この曲は、ジョン・レノン、ポール・マッカートニー、ジョージ・ハリスン、リンゴ・スターの4人全員が作詞・作曲に参加しました。(全員がクレジットに載ってる珍しい曲)
長らくこの音源は公式に聴くことができませんでしたが、アンソロジープロジェクトの一部として、1995年にこの曲の一部がフリーアズアバードのシングルCDの4曲目に収録されました。
また、2017年に発売のクリスマスレコードボックスでフルバージョンが初めて公式でリリースされた。
1968: The Beatles 1968 Christmas Record
録音: 1968 年 11 月~12 月
ホワイトアルバム収録後の時期に制作されている。
ビートルズのメンバー各人が別々に録音しました。奇妙なノイズ、音楽の断片、個々のメッセージのサウンドコラージュです。
(ホワイトアルバムがリリースされた年で、Revolution 9を彷彿とさせる。)
ポールの「ハッピー・クリスマス、ハッピー・ニューイヤー」、ジョンの詩「ジョックとヨノ」、「ワンス・アポン・ア・プール・テーブル」が収録されている。また、ジョージがニューヨークで録音した、ウクレレを弾くタイニー・ティムによる「Nowhere Man」の演奏も収録。
(タイニー・ティムはアメリカの歌手・俳優)
ペリー&キングスレーの “Baroque Hoedown “の短い断片も収録されている。この曲は3年後に、ディズニーランドのエレクトリカルパレードで使用された。
(Perrey and Kingsley は、フランスの作曲家 Jean-Jacques Perrey とドイツ系アメリカ人の作曲家 Gershon Kingsley による電子音楽デュオでエレクトロニック ミュージックのパイオニアとして知られる。)
(これはみのミュージックでも紹介されていた、シンセサイザーでバッハを演奏する「スイッチト・オン・バッハ」に先立つ、モーグ・シンセサイザーを使用した楽曲である。(ここでもビートルズの革新性に触れて驚いた)
また、ビートルズ自身の楽曲 “Helter Skelter “、”Ob-La-Di, Ob-La-Da”、”Yer Blues”、”Birthday “も一部バックで聞こえる。
(この時期の楽曲にも現れているセルフオマージュ・サンプリング的な要素をここでも垣間見ることができた。)
1969: The Beatles Seventh Christmas Record
録音: 1969 年 11 月~12 月
ビートルズの最後のクリスマス・アルバムは、バンドが事実上解散していたため、メンバーが個別にレコーディングしました。
このアルバムには、ジョン・レノンと彼の妻ヨーコ・オノがティッテンハースト・パークの邸宅で「what will Santa bring me?(サンタが何を持ってきてくれるかな?)」というゲームを楽しむ様子が収録されています。
ジョージ・ハリソンとリンゴ・スターは、リンゴが俳優として出演しているの映画「マジック・クリスチャン」の宣伝のために登場します。
ポール・マッカートニーは「This is to Wish You a Merry, Merry Christmas」というオリジナルのアドリブ曲を歌います。
最初のクリスマスレコードで「ウェンセスラスはよい王様(Good King Wenceslas)」も収録されています。
リンゴの歌の後に「The End」のギターソロが流れ、オノヨーコがジョンにインタビューするシーンも含まれています。
クリスマス・ボックス・セット
これらのクリスマスレコードは、海賊版が出回っていたものの、長年公式に聴ける機会がなかった。
しかし、2017年にこれらのレコードがボックスセットとして復刻・販売されました。アートワークも忠実に再現されています。
Happy Xmas (War Is Over)
(ここからは、ビートルズ解散後、メンバーがソロ活動に移ってからのお話)
ジョン・レノンとオノ・ヨーコによる楽曲で、1971年にリリースされたこの曲は、平和を訴えるクリスマスソングとして広く知られています。この曲は今でもクリスマスシーズンに頻繁に聴かれるクラシックです。
1969年12月15日、ジョン・レノンとヨーコ・オノはロンドンでユニセフ主催の「ピース・フォー・クリスマス」コンサートに出演しました。同時に、世界11都市で「WAR IS OVER! IF YOU WANT IT Happy Christmas From John & Yoko」という平和キャンペーンを行い、看板やポスター、新聞広告を通じてベトナム戦争に抗議しました。
1971年、レノンとオノはニューヨークに拠点を移し、アルバム「イマジン」をリリースしました。このアルバムは商業的に成功し、同じ手法でクリスマスソング「Happy Xmas (War Is Over)」を制作しました。この曲は10月にニューヨークでレノンがアコースティック・ギターのデモを録音したことから始まり、プロデューサーのフィル・スペクターとセッション・ミュージシャンと共に正式なレコーディングが行われました。レコーディングには子供たちのコーラスも含まれ、ジャケットの写真はこのセッションで撮影されました。
「Happy Xmas (War Is Over)」は、アメリカで1971年12月1日にリリースされましたが、期待通りのヒットにはなりませんでした。これはリリース時期の遅れとキャピトル・レコードの不十分なプロモーションが原因でした。イギリスでは、レノンとオノの共同名義の作品としたことから契約違反をとなり、当初のリリースが見送られ、1972年に発売されました。この曲は後に、レノンが生前に発表した唯一のコンピレーション・アルバム「シェイヴド・フィッシュ〜ジョン・レノンの軌跡」に収録され、平和への願いを込めたメッセージが強調されています。
George Harrison – Ding Dong, Ding Dong
ジョージ・ハリスンがリンゴ・スター、クラウス・フォアマンと共にレコーディングしたというクリスマス・ソング。クラウス・フォアマンはビートルズのメンバーと旧くから交友関係にあり、『リボルバー』のアートワークを担当したことで広く知られることになった人物だ。この曲のミュージック・ビデオでジョージ・ハリスンが『サージェント~』の衣装を着ていることも印象的だ。
Paul McCartney – Wonderful Christmastime
ポール・マッカートニーによる1979年のクリスマスソング。シンセサイザーを使用したこの曲は、クリスマスの喜びを表現した楽しいナンバーで、毎年のクリスマスシーズンになるとラジオや店舗でよく耳にします。
現在でもクリスマス・シーズンになるとよく耳にする1曲。ポール・マッカートニーがウイングスとして活動していた1979年にリリースされた。イギリスでのリリース当時も、1984年にアメリカでリイシュー盤がリリースされた当時も、両国で大ヒットを記録しクリスマスの定番曲となった。
Ringo Starr – I Wanna Be Santa Claus
1999年にリリースされたリンゴ・スターによるクリスマス・アルバム『I Wanna Be Santa Claus』のタイトル曲。2003年に『The Best Of Ringo Starr: The Christmas Collection』として再リリースもされたが、商業的には奮わなかったようだ
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